
描く絵の元となる写真を撮る時、カメラのフレームの枠でアングルを数カット決め
るだけではなく、引いた位置で大きく撮影して、後からトリミングで構図を決める事
がある。その場合は、画面の左右端か中心部分を他の写真から切り取って、誇張する
と全体に動くが出て、面白い絵になる事がある。つまり写真から描く場合は、そのま
まトレースしても、絵として生きてこない場合が多い。絵の工夫が必要となろう。
六義園は元禄8年(1695年)、五代将軍・徳川綱吉より柳澤吉保に下屋敷として与えられた。
彼自ら設計し工事を指揮したとされる。庭園は大きな泉水と小高い山林に恵まれ、
ところどころに和歌で歌われた景勝地を映し出している。造園当時から小石川後楽園
とともに、江戸の2大庭園としても有名。明治時代に入り、岩崎弥太郎氏の所有となり、
維新後に荒れ果てた庭園を修復して今日の姿になった。正面の茶屋は紅葉の木で出来た、
紅葉茶屋と言うそうです。掘割を渡る小橋から観たアングルで、紅葉の鮮やかな姿が水面
に写って、木洩れ日とともに、のどやかな風景を描いて見たかった。
春は大きな枝垂れ桜が咲き、ライトアップは見事だそうです。ペン下絵は茶屋
と木の幹、水の縁くらいに抑え、最小限の使い方をしました。